更新日:2024.09.04
“美容医療はサービス業“ ”患者さんではなくお客さま“。美容クリニックへの転職に向けて情報を収集していると、たびたび目にする言葉ではないでしょうか。
サービス業だと聞いて、多くの方が心配される美容クリニックのクレームについて解説していきます。
美容クリニックで扱う医療は健康な方を対象としたものです。
そのため、これまで病棟で経験してきた患者の急変対応のような生死にかかわる緊急のケースは少なく、お客さま対応も予約制が基本です。
待ち時間に対するクレームは発生しづらいといえます。
クレームが全くないということではありませんが、病棟と比較してその件数が劇的に多いわけでもなく、万一に備えて問い合わせの窓口を設けているクリニックがほとんどです。
クレームを起こさない努力は大切ですが、心配しすぎる必要はありません。
美容クリニックで起こるトラブルやクレームの原因は、病棟と比べると特殊です。
病気やけがの治療を目的としない美容医療は、自由診療なので受診者が費用を全額負担します。
急ぎで必ずやらなければいけないものでもなく、満足の基準は個人の主観に左右されるむずかしさがあります。
美容クリニックに対するクレームは、大きくふたつに分けられます。
まず、医師や看護師・カウンセラーの対応へのクレームです。
「十分な説明・カウンセリングをしてくれなかった」というものから、「広告で見ていた以上に高額な施術を勧められた」といった自費診療ならではのものまで、その内容はさまざまです。
次に、施術時の対応や効果に対してのクレームです。たとえば「シミを取りたかったのに、かえって濃くなってしまった」「希望していた二重と仕上がりが違う」といったものです。
クリニック側が良い結果になったと思っていても、お客さまの思う美しさと違っていれば、それは失敗だと判断されてしまう可能性があります。
クリニック側の技術的なミスを除くと、クレームが起きてしまう理由の多くがコミュニケーションの問題であると考えられます。
施術のダウンタイムやリスクに関する説明が不十分だったり、説明したことがお客さまに伝わっていなかったりした結果が、不信感やクレームにつながってしまいます。
たとえば「シミが濃くなってしまった」が、実際レーザーによるやけどなのか、シミが取れるまでの一般的な経過なのか。
前者であればすぐに追加の処置が必要な訴えですし、後者であれば説明不足が招いたクレームです。
多くの美容クリニックが入職時の研修に力を入れているのは、お客さまの満足度の向上だけでなく、トラブル回避の目的もあります。
正しい知識を持って、丁寧な接客・接遇を心がけることでクレームを減らすことにつながるはずです。
いずれにしても、美容クリニックが病棟に比べてクレームが多いということもありませんので、過度な心配は必要ないでしょう。
執筆者美容看護師 お仕事科 編集部
看護師の美容クリニック転職専門エージェント「美容看護師 お仕事科」の編集部です。美容経験者から未経験者まで幅広く看護師の転職やキャリア支援を行うエージェントとして、美容・自由診療業界での転職活動やキャリアに役立つ記事を更新しています。