人気の時期は4~6倍?美容クリニックのリアルな応募倍率【美容クリニック人事のリアルを聞いてみた】

人気の時期は4~6倍?美容クリニックのリアルな応募倍率【美容クリニック人事のリアルを聞いてみた】

更新日:2024.08.26

表立っては聞きにくい転職活動における「これってどうなの…?」という看護師さんの疑問を、美容クリニックの採用担当者に直撃!
希望の美容クリニックへの内定獲得のために、知っておきたいリアルな内情とは…?
今回は、人気美容クリニックグループで採用人事を担当されるTさんに、応募倍率と採用活動との関係についてお話しいただきました。

応募者は年々増加傾向。美容クリニック採用のいま

――Tさんのクリニックに応募される看護師さんは、どのくらいの年齢の方が多いのでしょうか?

24~25歳あたりの方が応募のボリュームゾーンですね。
当グループでは看護師求人への応募資格を“病棟経験2年以上”としていることもあり、22歳で大学を卒業して病棟で経験を積み、募集要件を満たした時点で応募してきてくださる印象です。

――美容看護師になることを見据えたような動きですね。

実際に面接をしていると、「美容看護師になることを目指して、看護師資格を取得した」という方が増えている印象を受けます。
化粧品を使ったスキンケアの後はエステサロンへ、というのがかつての美容の一般的な流れでした。
美容医療を受けた経験のある看護師も少なかったんですね。それが美容医療の認知の高まりやブームによって、「エステに行ったことはないけれど、美容医療は受けたことがある」方が増える逆転現象が起きています。
そのおかげもあって看護師求人の応募倍率も年々高くなっています。

――20代後半~30代の方からの応募はいかがですか?「私には難しいかも」と考えてしまう方もいそうです…

私たちとしては「ぜひ来てください!」という気持ちです。
先ほど応募のボリュームゾーンは24~25歳とお話ししましたが、上は35~36歳くらいまで、未経験の美容へチャレンジしてくださる方も少なくないんですよ。
SNSなどインターネット上では、きらきらとしたクリニックやインフルエンサーさん、YouTuberさんたちの派手な症例が目立ちますよね。
しかし実際の美容の現場でご要望として多いのは、アンチエイジング目的の治療。外見を大きく変えたいわけではなく、シミやたるみなどを軽減させ、前向きになりたいとお考えの40~50代の患者さまが「若い子に美容の相談をするのは恥ずかしい。気持ちを理解してもらえないかも…」と、少し上の年代の看護師を希望されることも珍しくないんですよ。
30代の看護師の落ち着きと傾聴力が、現場で求められているんです。

狙い目は2~3月!倍率が低い時期の選考で、内定率アップ?

――看護師求人の応募倍率についてお聞かせください。

時期によりムラがありますが、一番応募が活発なのが4月の入職希望です。
5名募集に対して20~30名の応募が集中して、4~6倍の倍率に…なんてことも珍しくないので、優秀な方であっても不採用になってしまう可能性が高まります。
対照的なのが2~3月入職希望の応募。倍率にすると0.5~0.8倍ほどでしょうか。
ご自身の経歴などに自信のない方は、競争率の低いこの時期を狙って転職活動するのも手だと思います。
クリニックによっては、応募が集中する時期の採用人数を多めに設定するなどの調整を行うそうですが、当グループでは現場の受け入れキャパシティを考慮して、各月同じ採用人数としています。

――それほど大きな偏りが!エリアによる違いはいかがですか?

やはり美容医療の中心地は銀座。クリニックの軒数も多いことから、職場選びの選択肢も多くなりますし、人気のエリアだと言えます。
しかし美容クリニックの出店エリアは年々拡大しているので、銀座でなければいけない時代は終わりました。
都内であれば、新宿・渋谷・池袋などの大きな繁華街には必ず美容クリニックがありますし、横浜・大宮エリアなど、一都三県に開院するクリニックも増えています。
患者さまにとっての選択肢が増えたように、働き手にとっての選択肢も広がっているんですね。

――美容クリニックへの入職を目指す看護師に、希望エリアや配属院の点でのアドバイスはありますか?

可能であれば転居なども検討しつつ、希望エリアは柔軟に考えていただくと良いと思います。
規模の大きなクリニックグループでは、銀座などの中心エリアに“本院”を構えており、ブランディングの観点から採用基準を高めに設定している場合があります。
対照的に、美容医療初心者の患者さまが多く集まるエリアには、親しみやすい雰囲気の看護師がマッチしやすく、採用基準を易しめに設定したり、病棟経験が長い看護師を配置したりすることも…「きらきらしたクリニックで戦う自信はない」という先ほどの年齢の話にもつながりますが、自身のキャラクターを活かせるクリニックやエリアへの応募を検討してみると、応募者の方のお気持ちも楽になるのではないでしょうか。
今はそうした選択がしやすい環境になってきていると思います。

応募者の希望と採用側の都合、どうやって折り合いをつける?

――条件面を理由に候補者を泣く泣く不採用に…ということもあるのでしょうか?

ご本人のキャラクターや能力面に全く問題がないのに、入職時期や配属エリアの希望の面でのミスマッチが起きてしまうケースは、残念ながら多々あります。
クリニックで働いてもらうイメージが容易にできる方であっても、ご本人の希望ではないエリアの配置によりモチベーションが下がってしまうのはお互いにとって良くありませんよね。
配属に関しては、入職後の努力とアピール、ポジションの空き状況などにより、異動希望が通ることだってあります。
初めての美容への挑戦ならば、ご自身のキャラクターや強みを活かして経験を積む機会だととらえていただくのも良いのではないでしょうか。
人事側では、皆さんの特性を見ながら配属を検討しているんですよ。
また、入職希望時期に欠員のあるクリニックへの通勤が2時間かかるような場合、厳しい研修をこなしてもらうことに無理があるだろうとこちら側で判断し、不採用となってしまう場合があります。

――働きながら転職活動をしている方にとって、入職時期の調整は難しい面がありそうです。

現職の都合により、「4月入職希望を3月に」といった前倒しは難しく、そういった例はほとんどありませんが、「4月入職希望を7月に」と、後ろ倒しに調整してくださるケースは少なくありません。
高倍率の4月入職ではなく、5~7月入職も視野に入れてもらえると、こちらとしても入職のお声がけがしやすくなります。
看護師は比較的年収が高いことから、金銭的な体力がある方が多い印象です。
「貯金でしばらく生活しようかな」「看護師の派遣バイトをやってみよう」「まとまった休みは珍しいから実家に帰省します」「3カ月先の入職なら失業保険を受給しても良いかも」と、前向きに考えてくださる方もいますね。
こうした余裕のある方は、比較的希望のクリニックに入りやすく、結果として長期的な就業をしやすいのではないでしょうか。

――ここまでをまとめると、人気の時期を外して応募すること、無理のない範囲で勤務エリアの選択肢を広げておくことが、内定を勝ち取るポイントになりそうですね。実際のところ、皆さんいつ頃から動き出しているのでしょうか?

看護師は金銭的に余裕のある方が多く、普段は仕事でかなり忙しくされています。
そのため「今月退職するので、転職活動を始めました」と、1~2カ月程度の短期戦で活動される方も少なくありません。
より計画性をもって情報収集をされている方は、4月入職の応募倍率が高くなることを把握しており、前年の夏から秋頃、7~10月あたりで活動を始められていますね。当グループでも今現在、来年度の採用活動が進行しています。
他の大手グループさんも同じような動きをされているので、いくつか同時に応募して比較検討してみるのもおすすめです。

美容看護師 お仕事科 編集部

執筆者美容看護師 お仕事科 編集部

看護師の美容クリニック転職専門エージェント「美容看護師 お仕事科」の編集部です。美容経験者から未経験者まで幅広く看護師の転職やキャリア支援を行うエージェントとして、美容・自由診療業界での転職活動やキャリアに役立つ記事を更新しています。

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