年収交渉はイメージダウン?スマートに交渉する方法【美容クリニック人事のリアルを聞いてみた】

年収交渉はイメージダウン?スマートに交渉する方法【美容クリニック人事のリアルを聞いてみた】

更新日:2024.11.22

表立っては聞きにくい転職活動における「これってどうなの…?」という看護師さんの疑問を、美容クリニックの採用担当者に直撃!
希望の美容クリニックへの内定獲得のために、知っておきたいリアルな内情とは…?
今回はみんな気になるお給料の話。転職時の年収交渉について、人気美容クリニックグループで採用人事を担当されるTさんに伺いました。

年収交渉ってしていいの?クリニックのリアルな実情

―――ずばり年収交渉ってありですか?イメージダウンや内定に差し障らないかを不安に思う方が多いようなんです。

年収交渉が、応募者の方のイメージダウンや不採用の直接的な原因にはならないと思います。一般的にも年収アップを目指して転職活動される方は珍しくありませんよね。
ただ、すみません…私たちのクリニックでは看護師の初任給は一律に設定されていて、年収交渉を受け付けていないんです。そもそも看護師さんの転職で、年収交渉は頻繁には行われない印象です。

―――年収交渉自体を受け付けていない…理由をお聞かせいただけますか?

一般の病院と美容クリニックとでは、仕事内容が大きく異なります。
「前職の病棟ではリーダー職に就いていて年収が600万円だったので、転職後も600万円以上を希望します」というのは、美容未経験では通用しづらいですよね。

―――たしかに美容への入職時点で、同じようにリーダー職に就けるかもわかりませんね。経験者の場合はいかがですか?

美容経験者の方の初任給も一律同じですね。美容医療って特殊で、クリニックが自由に価格を設定でき、機器や薬剤の取り扱いも各医師の裁量に任されています。保険のように標準の治療法がないので、同じ名前のメニューであっても、クリニックごとのプロトコルに違いがあります。
経験がある分習得スピードは早いかもしれませんが、クリニックのやり方を勉強しなおすという意味では未経験の方と大きく変わらないと考えているんです。
ただ働くからにはお金は大切なので、応募者の方が不安になることのないよう、私たちのクリニックの昇給の仕組みについて、選考段階で丁寧にお伝えするようにしています。
等級制度を導入し、昇格・昇給のために必要なスキルなど基準を定めているので、何をどのように目指すべきかが明確ですし、一般の病院よりも昇格スピードは早いですよ。

―――入社時に交渉しなくても希望が実現する可能性はある、ということですね。

都内の美容クリニックの求人を見てみると、年収450万円以上が相場です。夜勤など不規則な勤務を頑張る病院の看護師さんたちの年収と同等、もしくはそれ以上になるんですよね。日勤のみで予約制、患者さまの生き死ににはかかわらない業務内容なので「こんなにお給料いただけるんですか?」と驚かれる看護師さんが多いのではないでしょうか。

たしかに私たちのクリニックではあまり経験者の交渉には応じていませんが、なかには「リーダー職求む」「美容経験者高待遇」というクリニックさんもいらっしゃいます。年収の高さはその方の仕事ぶりや能力をアピールする材料だと言えますよね。だから年収交渉をしてはいけないわけではないですし、それが通る状況もあるんです。

年収交渉のポイントは“適切なタイミング”と“根拠”

―――交渉できる状況であれば、どうするのが良いと思われますか?コツなどあればお伺いしたいです。

コツは大きくふたつあって、まず“適切なタイミングで切り出すこと”だと思います。
一般的に年収交渉のタイミングは、最終面接で希望を聞かれた時や、内定と併せて労働条件が提示された時が好ましいとされます。
一次面接のような選考の序盤で応募者の方から交渉を始めてしまうと、面接官の心証を悪くしてしまう可能性がありますね。ただし、現職の年収や転職後の希望年収を聞かれることはあるので、答えられるように準備はしておいてください。

―――タイミングを見誤ると、通る話も通らなくなるわけですね。もうひとつのコツはいかがですか?

“年収アップを求める根拠を”具体的に示すこと”です。たとえば、病棟での現職年収が450万円の方が、美容クリニックに転職して年収700万円を望まれたとしても、「未経験の方なのになぜ?クリニック側のメリットは?」と思われてしまうでしょう。
ただ要望だけを伝えるのではなく、ご自身のスキルを転職後にどのように活かせるのかをアピールできれば、これは強力な根拠になりえます。

いくつか併願して、内定を持っておくのもひとつの方法ですね。「他院から年収550万円を提示いただいています。御院に入職したいと考えているのですが、同じ条件で検討していただけないでしょうか」などと謙虚に伝えれば、決して悪い印象にはならないはずです。


―――ありがとうございます。実際に年収交渉してみようと思うとやっぱり少々ハードルが高そうに感じますね…

繰り返しになりますが、適切なタイミングで切り出すことができれば、年収交渉が応募者の方のイメージダウンになることはありません。それでもやっぱり気が引けてしまうという方は、転職エージェントを挟んでの交渉がスムーズかもしれません。
応募者の方の希望にクリニック側が必ず応えられるわけではありませんが、エージェントの方は交渉自体に慣れています。経験を踏まえたアドバイスを受けられるほか、全てを自分でやらなければいけないストレスからは解放されるかなと思いますね。

美容看護師 お仕事科 編集部

執筆者美容看護師 お仕事科 編集部

看護師の美容クリニック転職専門エージェント「美容看護師 お仕事科」の編集部です。美容経験者から未経験者まで幅広く看護師の転職やキャリア支援を行うエージェントとして、美容・自由診療業界での転職活動やキャリアに役立つ記事を更新しています。

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