自己応募vs転職エージェント経由応募、どちらが採用されやすい?【美容クリニック人事のリアルを聞いてみた】

自己応募vs転職エージェント経由応募、どちらが採用されやすい?【美容クリニック人事のリアルを聞いてみた】

更新日:2024.11.11

表立っては聞きにくい転職活動における「これってどうなの…?」という看護師さんの疑問を、美容クリニックの採用担当者に直撃!
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今回は「直接応募の方が採用されやすい」という噂の真偽について、人気美容クリニックグループで採用人事を担当されるTさんに伺いました。

クリニックから見た自己応募とエージェント経由応募の違い

―――自己応募とエージェント経由応募では、自己応募のほうが有利だという噂があるようです。実際のところはいかがですか?

自己応募かエージェント経由応募か、応募方法は合否に直接関係しません。私たち採用人事は、応募者の方のお人柄やスキルがクリニックにマッチしそうかどうかを重要視しているからです。

―――採用側から見たふたつの応募方法の違いについて教えてください。

クリニック側にとっての最も大きな違いは、採用にかかるコストです。
自己応募とは、応募者の方とクリニックとが直接やり取りする方法です。かかる費用は求人サイトへの掲載料が主で、クリニックのホームページのみでの募集であれば、その掲載料もかかりません。
エージェント経由応募とは、エージェントを仲介した方法。採用が決まると、クリニックからエージェントへ紹介料をお支払いします。看護師採用の場合、おひとりあたりの紹介料は70~140万円ほどです。
この費用の違いから、採用コストが低い分採用ハードルも低いと解釈され、“自己応募のほうが有利”だというイメージにつながっているのだと思います。

応募方法に向き不向きはあるの?

―――ここまでのお話だと、まだ自己応募のほうが採用に有利になりそうな印象です。

採用コストが抑えられればそれに越したことはありませんが、エージェントからの紹介を受ける時点で、私たちはコストを見越した採用活動を行っています。最終的には、その応募者の方と一緒に働きたいかどうかが大切なんです。
応募者の皆さんは、ご自身の魅力を上手くアピールできる応募方法を選んでいただければいいと思います。

―――自己応募とエージェント経由応募、どちらが自分に合っているのか判断に迷う方はどうすればいいのでしょうか?

社会人マナーやビジネススキルに自信があるかどうかをひとつの基準にするのがおすすめです。転職活動では、面接にたどり着くまでに、応募書類の作成、クリニックとの日程調整などのやりとりが発生します。これまで病院勤務のみを経験されてきた看護師さんにはあまり馴染みのないことで、どう対応すべきかわからないという方が多いのだなという印象を受けます。


―――”どう対応すべきかわからない”が伝わるエピソードなどはありますか?

クリニックのホームページに掲載している採用窓口のメールアドレスに、「看護師です。採用に興味があります。よろしくお願いします」と、件名なしの文章が届いたことがありました。思わず、「患者さま対応を任せても大丈夫だろうか」と心配になってしまいます。ビジネスマナーやビジネスメールなどを学ぶ機会がなかったのでしょうが、ご本人のお人柄や看護スキル以外の部分で減点され、弾かれてしまうのは非常にもったいないことです。そういう点を指導してもらえる点では、エージェントは心強いですね。

―――社会人マナーが身についている方とそうでない方から同時期に応募を受けた場合、前者の方が選考を通過しやすいのかもしれませんね。

その他の条件がほぼ同じであれば、社会人マナーの身についた方を選ぶ可能性はあります。だから自信のある方は自己応募でチャレンジ、そうでない方はエージェントに頼るのも方法なのかなと思います。

エージェント経由応募の場合は、事前に書類の添削や面接時の立ち振る舞いなどの対策を受けていることが多く、その分減点の要因が少ない印象です。クリニック人事との付き合いが上手で誠実なエージェントさんは、クリニックの内情や面接の頻出質問をしっかり把握されています。クリニックとエージェントの関係性は外から見えづらく判断は簡単ではありませんが、細かなことでもたくさん質問してみると良いと思います。
また、働きながら複数のクリニックを併願したい方にとっては、面接日程の調整や入職に関わる交渉ごとをエージェントに任せられることは大きなメリットになると思います。

自己応募もエージェント経由応募でも、一貫性がポイントに

―――エージェント利用時に気を付けるべきポイントはありますか?

まず、エージェントが全てのクリニックの求人情報をもっているとは限らないと理解しておくことです。美容クリニックよりも、他科のクリニック軒数のほうが圧倒的に多いので、美容の求人のみに力を入れられないというエージェント側の事情があるようです。これについては美容クリニック専門のエージェントを利用したり、複数のエージェントと並行してやり取りしたりして、対応が良い方を選ぶなどすると良いと思います。

もうひとつ、エージェント経由応募で特徴的なのが、“推薦状” “キャリアシート”などと呼ばれる書類です。キャリアアドバイザーの方が作成するもので、「匿名20代看護師。混合病棟3年、美容クリニック(脱毛)1年」などのように、個人情報は伏せ、備考欄にお人柄などの情報が記載されています。これが選考通過の後押しになることも少なくありません。
ただ、推薦状は諸刃の剣。エージェントとのコミュニケーションが上手くいかず、推薦状の記載内容と応募者の方の実際のキャラクターとにネガティブなギャップができてしまうと、マイナス評価につながる可能性もあるんです。

たとえば、「明るくハツラツとした方です」と紹介を受けて面接にお呼びしたのに、緊張でガチガチ、笑顔もゼロ…「美容がお好きな方です」と聞いていたのに、掘り下げてみたらなにもご存じない…などです。

―――期待値が高い分、どうしても期待外れな印象になってしまうんですね。

そのとおりです。面接官は矛盾を嫌い、一貫したエピソードに好印象を抱きやすいと思います。書類上のご自身に関する表現と行動とがマッチしているかどうかを客観的に振り返られるといいですね。
エージェントを頼ったり、自分の働きを良く知る人たちに聞いてみたりするのも手です。これはエージェント経由応募に限らず、自己応募でチャレンジされる場合にも心に留めておいていただくといいでしょう。

美容看護師 お仕事科 編集部

執筆者美容看護師 お仕事科 編集部

看護師の美容クリニック転職専門エージェント「美容看護師 お仕事科」の編集部です。美容経験者から未経験者まで幅広く看護師の転職やキャリア支援を行うエージェントとして、美容・自由診療業界での転職活動やキャリアに役立つ記事を更新しています。

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