更新日:2024.11.05
希望の美容クリニックへの内定獲得のために、知っておきたいリアルな内情。人気美容クリニックグループで採用人事を担当されるTさんに、“刺さる志望動機”のポイントを伺いました。
―――そもそも志望動機とは何のために確認するものなんでしょうか?
私たち採用担当者にとっての志望動機とは、応募者の方とのマッチングを測る材料です。美容看護師として働きたいと考えるのはなぜか、数あるクリニックのなかからうちに応募してくれたのはなぜか、仕事にどんなことを求めているのかなど、学歴や職歴のみからは見えづらい考えやキャラクターを知るために、志望動機はとても重要なんです。
志望動機を考えるにあたっては、美容の業界の正しい知識を習得するだけでなく、自分自身に対する理解も深められるので、応募者の皆さんにとってもぜひ手間をかけて作っていただきたいです。
―――これまで数多くの面接を担当されてきたかと思います。印象に残っている志望動機やエピソードはありますか?
「美容が好きで、最近は○○に関する論文を読みました」とお話しくださった方には驚きましたね。美容看護師は勤続年数を重ねても常に勉強が必要なお仕事なので、入職後も楽しみながら努力を続けてくれそうだなと好印象でした。
もう少し身近なお話だと、「毎シーズン、デパコスの新作チェックを欠かしません」という方も素敵でした。美容医療でお悩みを解消したり土台を整えたりした後に続くものってメイクですよね。メイクやトレンド情報など、引き出しの多い看護師がいるとお客さまも心強いはずです。
―――「美容が好き」の掘り下げが大切なんですね。
そのとおりです。「美容が好き」という志望動機は、一番多くて興味を引かれません。
応募書類を準備して面接に足を運んでくださる時点で、美容が好きなことや興味は伝わっています。好きを原動力にどんなことに取り組んでいるのか、入職後にはどんな風にお客さまと向き合えそうかなど、知りたいのはより具体的な部分なんです。
「美容が好き」アピールは実は修羅の道。ライバルが多いトピックから少し視点を変え、ご自身の経験を踏まえた志望動機を考えていただくのも良いと思います。
―――でも未経験の場合、自分をどうアピールしていいかイメージしづらい方が多いかもしれません。
美容に興味を持ったきっかけを掘り下げてみるのはどうでしょうか。
「乳がんによって乳房を失われた患者さんが、再建手術によって喜ばれる姿を見て、病気を治すだけが医療ではないんだと思いました」「眼瞼下垂術によって、見えづらさが解消されるだけでなく、表情が明るくなったり自信がついたりするんだなと気が付いて…」こうした経験を経て、美容看護師としてどんな働きをしたいのかまで話してくださった方の志望動機にはかなり説得力がありました。
―――志望動機に関するがっかりエピソードはありますか?
「うちのクリニックに当てはまらないな」というお話が多いと、がっかりというより不安になってしまいますね。希望勤務地が私たちの展開していないエリアだったり、取り扱いのない機器や治療について熱心にお話されていたり…「併願先のクリニックと間違えているかも…」という印象を受けます。併願自体は問題ありませんが、面接ではそのクリニックに合わせたお話ができるよう、下準備に力を入れていただきたいですね。いわゆる企業研究が必要になるんです。
―――先ほどの”数あるクリニックのなかからうちに応募してくれたのはなぜか”につながる部分ですね。
検索すればなんでも出てくる時代ですし、理事長や院長先生について、運営母体などについて調べておくことをおすすめします。クリニックが大切にしている理念や運営方針が見えてくるので、ご自身の希望の働き方にマッチしそうか判断できますし、強みをどのようにアピールするのが良さそうかヒントを得られると思います。
ホームページだけでなく、経営者インタビューが掲載されたウェブ媒体や、出展したイベントなどに触れ、「こんなところでお見かけして…」とお話くださると、採用担当者として嬉しくなりますね。熱意にあふれた方って、皆さん共通して下準備に力を入れている印象です。
美容への初めての挑戦で不安な方は、①美容看護師の仕事内容への理解を深める ②応募するクリニックについて調べる ③これまでの経験をもとに、自身の強みを考える
この3ステップに丁寧に取り組んでもらうと、魅力の伝わる志望動機ができると思います。ぜひ試してみてください!
執筆者美容看護師 お仕事科 編集部
看護師の美容クリニック転職専門エージェント「美容看護師 お仕事科」の編集部です。美容経験者から未経験者まで幅広く看護師の転職やキャリア支援を行うエージェントとして、美容・自由診療業界での転職活動やキャリアに役立つ記事を更新しています。